ダーラヘストとは?

ダーラヘストとは?









スウェーデンのストックホルムから車をとばして3時間半。
たくさんの森と湖からなるダーラナ地方は、ダーラヘスト(スウェーデンの木馬・置物)の故郷。
ダーラナ地方に工房があり、今もなお、職人さん達により一つ一つ手作りされています。

本国スウェーデンのみならず、世界中の数多くのファンに愛されており、 最も有名な工房はグラナス A オルソン ヘムスロイドや、ニルス オルソン ヘムスロイドなど。現在もシリアン湖周辺にあり伝統を守り続けています。





日本ではダーラヘストと表記されることが一般的で一番多いのですが、スウェーデン語で馬のことをヘスト(へスター)と言い、ダーラは、ダーラナ地方の意味。

スウェーデンでは ダーラへスト(ダーラへスター)と呼ばれます。





18世紀の始め頃、木こりの人たちが仕事が終わった後に、遊び半分に作った木彫りの馬(スウェーデンの木馬・置物)が始まりといわれています。

スウェーデンの冬は日照時間が短いので、木こり達は仕事を早く終えストーブの前に座り、雑談をしながら、材木の切れ端で木彫りの馬をよく作りました。

子供のおもちゃ用にいろいろな動物を作りましたが、特に馬が多く彫られました。
馬は冬の間、重い材木を森から運び出す大切な役割をもっており、森や畑でも人々に従順な動物としてとても重宝にされ愛されていたため、彼らにとってかけがえのない存在だったのです。





幸せを運んでくれる馬 と言われ、世界中の人たちに親しまれ、現在に至るまでには奥深い背景があります。
スウェーデンでは昔から、馬は人に優しく賢くて力強い生き物として大切にされてきました。
その時代の人々にとって馬は生活にかかせないものであり、馬に力を借り助けられて生活をしていたのです。

当時の貧しい村の人々にとって馬を持つことはとても難しいことでした。
しかし、馬を持ちたいという夢を持ち続け憧れの馬を自分の手で作り始めました。
身近にある木片をナイフで削り、色を塗り美しく仕上げました。
そして出来上がった木馬を村人たちはダーラ馬として、全国へ売り歩きました。
貧しかった当時の村人は、宿泊代や食事代をなどを商品であるダーラ馬で代金を支払ったと言われています。

その後、子供達のおもちゃとして自然に定着していき、赤く色が塗られるようになったのは19世紀になってから。
銅で塗られた赤いものが始まりで今ではいろいろなカラーで色づけされています。
一般的な模様は18世紀のクルビッツ塗りが原型となっており、現在の花柄のような模様は熟練のペインターさんにより2色の一筆描きで見事に描かれています。

人気が定着するにつれ冬だけでなく、年間を通じて作られるようになっていきました。
ダーラヘスト(スウェーデンの木馬・置物)はいつの間にかムーラ周辺の村の名物となり、20世紀にはダーラナ地方の新しい産業へと発展していきました。

始めの頃は斧で原木を切り出していたため、1つ1つの馬はサイズや形のばらつきがありましたが、1920年頃に帯ノコで板状の木材を同じ大きさの馬の形に切り取っていくことができるようになり、寸法と形が一定した馬を職人さんが手彫りでダーラヘストに仕上げていくようになりました。





1939年にニューヨークで行われた万国博覧会で、スウェーデンのブースシンボルとして高さ3メートルの巨大ダーラヘストが飾られました。
訪れた人たちは、その大きくて赤いホースに魅了され大変な評判になりました。

博覧会で紹介され脚光を浴び、その後世界的に知られるスウェーデンの民芸品となったのはこの時代からと言われています。
博覧会の翌年には、2万体がニューヨークへ輸出されました。





幸せを運んでくれる馬 と言われ、世界中の人たちに親しまれています。
大切な人への贈り物として人気があります。

出産祝い・内祝い・お誕生祝い、新築祝い・結婚祝い・ご結婚祝い など、贈る方のお気持ちが伝わり、受け取られる方にも喜んでいただけるギフトにも最適です。





初めて工房の3世代目にあたるオルソンさんとお話をさせていただいた十数年前、ダーラヘストについて記された保存版ビデオを拝見し、大変興味深い思いとともに魅了されました。
彼らは祖先が残してくれたこの工芸品を愛し、大切に受け継ぎ、絶やすことなく作り続けています。

弊店アットテリアは、スウェーデン中部ダーラナ地方の老舗メーカーさんより直輸入し、日本の皆様へスウェーデン伝統のハンドクラフトをお届けしています。

スウェーデンの厳しい冬の寒さに耐えながら育った樹木の強さと、美しい自然、人々の温かさが感じられます。






1) スウェーデンパイン材やハンの木の板に、輪郭をスタンプしていきます。
  (木馬形になった状態で2~3週間乾燥させます。)

2) 帯鋸切りで輪郭にそって原型をカットします。

3) 原型のホースは彫刻に向けて頭、脚、お腹に角度をつけて形成されます。
  ここまでのステップにより、ワークピースが完成されます。

4) 熟練の職人さんたちにより、モーラナイフで彫刻がされ、ウッドピースが完成。
  
5) 水性塗料でファーストコーティング。

6) パテと研磨で表面を整えます。

7) ボディーのカラー塗料に浸し全体をコーティング(単色カラーが完成)

8) ぺインターさんによりオイルペインティングでクルビッツ模様といわれる特徴的な模様などが描かれます。工房で見学させていただくと、あっという間に複雑な模様が見事に描かれます。基本的な色あわせや模様は統一されていますが、まったく同じものは二つとないところが手作りの魅力です。

9) オイルペインティングはおよそ2日ほどで乾燥し、その後クリアーラッカーに浸し全体をコーティング。
  艶やかで美しいダーラヘストが完成します。 完成までに1ヶ月以上の時間がかかっています。





あなたのそばで見守ってくれる大切な存在になればこんなに嬉しいことはありません。

今もなお作り続けられているダーラヘストたちは、手にとる人のお気に入りとして出会えることを楽しみに待っています。